お香の原料となる天然香料は、沈香・伽羅・白檀のというメインの香木の他にも数十種類あります。
樹木や樹脂の他、漢方薬やスパイスとして有名なものも含まれています。
また、植物性のものだけでなく、動物性のものもあります。その中から、今回は桂皮(けいひ)を紹介します。
お香の原料「桂皮」とは?
お香の原料である桂皮は、クスノキ科の常緑高木であるニッケイ(肉桂)の樹皮を乾燥させたもので、英名はシナモンやカシアです。肉桂はニッキとも読みます。
しかし、「桂皮」「シナモン」「カシア」「ニッキ」は厳密には違うもののようです。
大混乱です。
そもそも漢字、カタカナ、英語がごちゃ混ぜになっていてわけがわかりません。
「桂皮」「肉桂」「シナモン」「カシア」「ニッキ」は同じものとも言えるし、違うものでもある
お香の原料に使うのはニッケイの皮である桂皮です。お香に使うのは中国の広南(カンナン)ニッケイが有名なようです。産地によって香りが違うので、セイロンニッケイの桂皮を使っていることもあるかもしれません。
京都の八ツ橋でおなじみの「ニッキ」はニッケイの根っこからつくったものです。ニッキは刺激のある辛味が特徴です。
本来は日本肉桂からつくったものを指しているようですが、日本肉桂は生産量がかなり少ないようです。ためしに、八ツ橋の原材料のところを見てみたら「桂皮末(ニッキ)」と書いてありました。どうやら根っこではないようです。むずかしいですね…。肉桂の読みは、たしかにニッケイであり、ニッキなので根っことは限りません。
シナニッケイのことはカシアとも呼びます。カシアは甘く、スパイシーな香りです。香辛料としても売っており、カレーや肉料理にはカシアが合います。アメリカやインドで流通しているシナモンと呼ばれているものは、ほとんどカシアのようです。
カプチーノにやアップルパイなどのお菓子に合うのは、セイロンニッケイ樹皮からつくった「シナモン」です。上品でやさしい香りがして、ニッキに比べて辛味はほとんどありません。
「セイロン」はスリランカの旧国名で、セイロンニッケイはスリランカが原産国です。セイロンシナモンはカシア(セイロンではないシナモン)に比べてお高めの印象があります。
主な産地
中国、ベトナム、スリランカなどが主な産地です。
桂皮の特徴、用途
桂皮は東大寺正倉院の薬帳にも記録が残っているほど古くから薬や香料として使われています。
血流を良くして発汗を促進することによる解熱効果から、風邪のひきはじめにいい漢方薬として葛根湯や桂枝湯に使用されています。健胃効果もあるそうで、私が好きな養命酒にも入っています。
古代エジプトではミイラの防腐剤としてシナモンが使われていたそうです。それが一体どのシナモンかはさっぱりわかりません。
日本でも桂皮には防虫、防カビ効果があるとされてきました。



